もう10年以上も前の話ですが、工作や機械が好きで受験し工業高校へ入学しました。
そんな元工業高校生から、工業高校への受験を考えている方へ工業高校とはどんな学校か伝えられたらと思います。
あくまで私の通っていた高校での話ですが、他の高校で大きな差は無いと思います。
工業高校は女子生徒が圧倒的に少ない
基本的に工業高校は女子生徒が少ないです。そのため校内はほぼ男子校のような状況となっています。
科(コース)によっては多いところもありますが、全校で考えると私の学校では10%も居なかったと思います。
学校内で彼女が欲しいという男子は、必然的に倍率が高くなりますので頑張ってください。逆に女子は男子を選べるような状況でしょう。。。
ちなみに、私の学校で女子生徒が多いのは建築科でした。
工業高校の雰囲気
ドラマや映画などの影響か、
「工業高校 = ヤンキー高校」
みたいな世間の印象がありますが、どちらかと言うとオタク気質の人が多いです。
もちろんヤンキーみたいな人もいますが、校則が普通高校よりも厳しい事が多いため、金髪なんていませんし、ピアスをジャラジャラ付けているような典型的なヤンキーなんていません。
工業高校では、オタクとヤンキーが平和に共存しています。私はどちらかと言うとオタクの方でしたが、お互い嫌う事なく共存してました。
工作や機械が好きだけど、工業高校の雰囲気が怖いと言う方がいるかもしれませんが、あまり心配しなくて良いと思います。
工業高校の授業
工業高校の授業には国語や数学などの普通科目もありますが、専門科目と呼ばれる工業に関する授業があります。
私は「電子機械科」という、電気の分野と機械の分野を幅広く勉強するという科で勉強していましたが、授業の例を挙げるとこんな科目がありました。
- 機械工作
- 機械設計
- 電気基礎
- 製図
普通高校では無い科目ですよね。
鉄についての勉強や機械の仕組み、電気についての事や機械の図面の書き方など多くの専門的な授業があります。
その授業の中で最も特徴的なのが 実習 です。工業高校には実習室という部屋があり、ちょっとした工場のような設備が置いてあります。
その設備を使用し機械の使い方を学ぶことができるので、実際に工場などに就職したとき同じ機械を扱う時には、機械についての基礎知識をもった状態で働くことができます。
個人的に楽しかった授業は 溶接 でした。最近はテレビのDIY企画などで芸能人が行うこともありますが、工業高校の機械系の科に入ると行う学校が多いと思います。
下手な人がやると鉄板に穴を空けてしまったり、下側に鉄のつららができてしまったりと慣れないと難しいのですが、楽しい授業でした。
工業高校は資格勉強が多い
普通高校では漢検や英検などの検定になると思いますが、工業高校では危険物取扱者や電気工事士などの実用的な国家資格などの資格取得を目指す事ができます。
工業高校生が取得する資格には2種類あって、授業の一部として取る(取らされる)ものと、希望者を募って取得を目指す資格があります。
私は「基礎製図検定」「危険物取扱者 乙種第四類」を授業の一環で取得して、「機械検査3級」、「危険物取扱者 乙種第五類」「小型移動式クレーン」「玉掛け」は希望して取りました。(他にも取りましたが代表的なものを…)
希望して取る資格も多いため、たくさん資格を取得する人もいれば、授業で取り扱った資格だけ取得している人もいるため、工業高校に入ったからといって授業のみでたくさん資格を取らせてくれるわけではありません。
中には外部の講習施設まで行って取得するものもあります(クレーンや玉掛けなど)。
資格取得には受験料金もかかりますし、それなりに勉強しなければ取れない資格もあるので無理にとる必要はありませんが、勉強に専念できる学生のうちに多くの資格は取っておきたいものですね。
(大人になるとユーキャンとか使わないといけなくなります。。。)
工業高校に向いている人は?
ここまで解説してきて普通高校とは大きく違うことがわかっていただけたかなと思います。
工業高校はものづくりの学校のため、工作など何かを作ったりする人が向いていると思います。
特に私がいたような機械系のコースの授業は、工作好きの方’は’楽しいと思える授業だと思いますが、工作に興味が無い・工作が嫌いという方にとっては苦痛だと思われます。
また高校卒業後の進路は、6割が就職・4割が進学というような状況です。就職は公務員になる人も一部いますが、多くが製造業に就職しており求人も一部上場の大企業もあるので、高校卒業したら就職をしたいという方には向いているのではないかなと思います。
進学の場合も多くの方が工業系の大学に進学しているため、工業系に興味がある方ならば普通高校の偏差値に余裕があったとしても、工業高校を視野に入れても良いと思います。
中学校まではみんな同じ道を通りますが、高校からは皆違う道を歩き始めます。
そんな一つ目の分岐ともいえる高校選びは、「親が言ったから」「先生が言ったから」ではなく、
「自分で選んだ」
と言えるような選び方をおすすめします。