「宇宙ゴミ」というものをご存知でしょうか?
宇宙ゴミというのは、その名の通り宇宙にあるゴミなのですが、現在は地球上のゴミ問題が取り上げられて環境問題として非常に問題になっていますが、宇宙空間にもゴミが散らばっておりそちらも問題になってきています。
しかし、宇宙空間には魚や動物は居ないのに何故問題になっているのでしょうか?今回はその宇宙ごみについて書いていきたいと思います。
宇宙ゴミの正体
宇宙にゴミがあると言っても、スタバのストローが浮遊しているわけではありません。
宇宙ゴミの正体はロケットや人工衛星の破片やパーツです。
ロケット打ち上げ時に地球に落下しなかった物や、壊れて使わなくなった人工衛星や人工衛星同士が衝突等を起こして散らばった部品など様々です。
そのような物が「ゴミ」として地球の周りを大小さまざまなものが大量に浮遊しています。これは「スペースデブリ」とも呼ばれています。
近年の各国宇宙開発が進むにつれて地球の周りにはどんどんと宇宙ゴミが増えており、これが今後大きな問題になってくると言われています。
宇宙ゴミは危険
冒頭にもお話しましたが、魚や動物がいない宇宙空間のゴミは何も問題にならなそうですが、実はこの宇宙ゴミって非常に危険なものなのです。
宇宙ゴミの危険性1. 地上に落ちてくる可能性がある
宇宙ゴミはロケットや人工衛星の部品ですので、大きな部品や難燃性の部品が使われています。
ほとんどの部品は大気圏への再突入時に燃え尽きてしまうのですが、サイズが大きかったり、難燃性の部品だと燃え尽きずに落ちてきます。
ほとんどは地球の7割を占める海に落ちるのですが、たまに地上に落ちてくることがあるようです。
大きなものだったらもちろん、小さなものでも早い速度で落ちてくるため、建物や人にぶつかれば非常に危険です。
宇宙ゴミのほとんどが人の住んでいないようなところに落ちているため、今のところ事故は起きていないようです。
ですが、宇宙ゴミが増えるということは、事故の発生する可能性も増えていくということでもあります。
宇宙ゴミの危険性2.人工衛星等を破壊する可能性がある
宇宙ゴミはただ漂っているわけでは無く、非常に速い速度で動いています。
秒速8km程度、時速で計算すると時速28800kmという地球上では考えられないような猛スピードで地球の周りを周回しています。
戦車の弾でも砲口で時速7000kmが速い方らしいですが、それを遥かに上回るとてつもない速度でゴミが地球の周りを飛んでいるわけです。スタバのストローでもこの速度で飛んできたら危険です。
このとんでもない速度で動いているゴミが人工衛星などにぶつかると、非常に深刻なダメージを受けてしまうことがあります。
特に宇宙ステーションなどにぶつかった場合、最悪は人命にかかわる事故にも繋がってくるため、ある程度の大きさの宇宙ゴミは地上から位置を監視し、衝突する可能性がある場合には宇宙ステーション自体を動かし回避行動をとることもあるようです。
それほどまでに、宇宙ゴミが衝突した際のダメージが大きいということです。
ロケットの打ち上げ時にも、大きなゴミと衝突しないようにゴミの位置を把握し、打ち上げ時間の決定に考慮されるそうです。
宇宙ゴミが我々にもたらす影響
地上にもなかなか落ちないし、宇宙空間に行くことも無いから関係ないと思いますよね。
ほとんどの場合は我々一般人には関係ない話なのですが、人工衛星が壊されてしまうと関係が出てきます。
例えばGPS衛星が壊れてしまった場合、GPSからの情報を使う地図アプリや周辺施設検索等で大きなずれが生じる可能性があります。
気象衛星が壊れた場合には、天気予報に使用する情報が手に入れられなくなる可能性が考えられます。
このように意外と我々も宇宙空間を飛んでいる人工衛星の情報を活用しているため、全くの他人ごととは言えない状況になっています。
宇宙ゴミはどうするのか?
「これ以上、宇宙ゴミを増やさない事」と「宇宙ゴミを回収する事」があります。
現在の状況としては前者の「ゴミを増やさない」という取り組みは、「使わなくなった人工衛星が爆発しないようにする」や「人工衛星同士の衝突を避ける」という取り組みをしているようです。
宇宙ゴミが出る最も多くの原因が、この2つということで活動が進んでいるとのことです。
もう一つの「宇宙ゴミを回収する事」ですが、もちろん近所の公園のゴミ拾いに行く感覚ではできませんので、ベンチャー企業やJAXAなどの機関が宇宙ゴミの回収技術を開発研究している状況のようです。
まだ実用化されたものはありませんが、宇宙空間で実験を重ねていき、いつかは宇宙空間のゴミ拾いによって売り上げを立てる会社も出てくるのではないかと思います。
地球上だけでなく、宇宙空間でもゴミ問題が出てきて時代の進歩を感じますが、どこに行ってもゴミというのは問題になってしまうのですね。